好きなスポーツが、パラスポーツへの入り口になる。——はじめてのパラスポーツ観戦ガイド

スポーツイベントとボランティア

今朝、ワールドカップの日本戦をテレビで見ました。週末には陸上日本選手権もありました。スポーツを見て興奮する時間は、日常の中でちょっと特別な時間です。

ふなばしスポーツとして活動する中で、よく聞かれることがあります。「パラスポーツって、どこから見ればいいんですか?」という質問です。競技の種類が多くて、何から見ればいいか分からないという方は少なくありません。

答えはシンプルです。あなたがすでに好きなスポーツの中に、入り口があります

好きなスポーツ×パラスポーツ

ほとんどのスポーツには、パラスポーツ版が存在します。競技の本質は同じで、選手それぞれの体の特性に合わせたルールや道具が加わっています。好きなスポーツから一つ選ぶだけで、パラスポーツ観戦の入り口が見つかります。

サッカーが好きなら → ブラインドサッカー

視覚に障がいのある選手が音の出るボールを使ってプレーします。フィールドプレーヤーはアイマスクを着用し、声だけを頼りにボールを追います。ゴール前では観客が静かにしてゴールキーパーの声を選手に届ける——その静寂とシュートの瞬間の歓声のギャップが最大の見どころです。「サッカーなのにこんなに違うのか」という驚きが、次の試合を見たくなる理由になります。

陸上が好きなら → パラ陸上

義足のスプリンターが加速する瞬間、車いすランナーがコーナーを鋭く曲がる瞬間——陸上の面白さの「別バージョン」がここにあります。障がいのクラス分けがあるため、同じ100メートルでも複数のレースが行われます。「走る・跳ぶ・投げる」という結果が一目で分かる競技特性は、初めて観戦する方でもすぐに楽しめます。実際に千葉県障がい者スポーツ大会の陸上部門を観戦した際も、義足で走る選手の力強さに圧倒されました。

バスケットボールが好きなら → 車いすバスケットボール

ルールは通常のバスケットボールと結構似ています。大きく違うのは、選手全員が車いすに乗ってプレーするという点、同時にコートに立っていられる選手にルールがある点、ドリブルなども少し違います。一方で、車いすを操りながらドリブル・パス・シュートをこなす技術は、見れば見るほど深みが出てきます。素早いターン、体を張ったスクリーン、ゴール下の激しい争い——バスケファンなら確実に楽しめます。日本代表チームも強く、国際大会の観戦機会も豊富です。

ラグビーが好きなら → 車いすラグビー

車いすで相手に体当たりする、接触ありの競技です。「マーダーボール」という別名が示す通り、激しい車いす同士のぶつかり合いとスピード感のある攻防が特徴です。四肢に障がいのある選手が参加する競技で、ポジションごとに異なる機能の車いすを使い分けます。ふなばしスポーツでも千葉ポートアリーナで開催された大会を観戦しましたが、最後の10秒まで同点という展開に会場全体が湧きました。一度見ると必ずまた見たくなります。日本は世界ランクで常に上位にいて車いすラグビーではかなり進んでいる国と言っていいと思います。

水泳が好きなら → パラ水泳

選手それぞれが自分の体の特性に合わせた泳ぎ方を作り上げています。「教科書通りではない泳ぎ」の中に、工夫と練習の積み重ねが見えます。同じバタフライでも、選手によって全く異なるフォームで力強く水を切っていく——そのダイナミズムは、初めて見る方に特におすすめしたいポイントです。千葉県障がい者スポーツ大会でも毎年開催されてますし、皆さんの身近でも大会が開催されているはずで、おもっているよりも観戦の機会は多くあります。

テニスが好きなら → 車いすテニス

通常のテニスとルールはほぼ同じで、ボールが2バウンドするまでに打ち返せばOKという点だけが異なります。コートを縦横に動き回る車いす操作の技術と、正確なショットの組み合わせが見どころです。小田凱人選手、上地結衣選手のグラインドスラムでの活躍でご存知の方も多いかもしれませんし。日本では長く国枝慎吾選手が世界で活躍してきましたのでテレビで見られる機会もあったかと思います。国際的に競技人口が多い種目です。

バレーボールが好きなら → シッティングバレーボール

座った状態でプレーするバレーボールです。コートが小さく、ネットが低くなっていますが、その分スピードと反応速度が求められます。座った状態でも驚くほど高いブロックやスパイクが飛び交い、通常のバレーとは違う迫力があります。

知識ゼロでも楽しめる理由

パラスポーツを観戦するのに、特別な知識は必要ありません。

ルールを全部知らなくても、得点が入れば嬉しいし、惜しいプレーには思わず声が出ます。好きなスポーツを見る時と同じ感覚で、最初の一試合を見てみてください。見ているうちに、自然と特定の選手やチームを応援したくなってきます。それがパラスポーツ観戦の入り込み方です。

ひとつ見ると、次が見たくなります。そういう引力が、パラスポーツにはあります。

千葉県・船橋近郊で見られる機会

千葉県では毎年、千葉県障がい者スポーツ大会が開催されています。水泳・陸上・球技など複数の競技が年間を通じて開催されており、観戦無料のものも多くあります。大きな会場でなくても、地域に根ざした大会が各地で開かれています。

ふなばしスポーツでは、こうした大会の観戦レポートをサイトとnoteで継続的に発信しています。「どんな雰囲気か知りたい」という方は、まずレポート記事を読んでみてください。

観戦レポート一覧はこちら

まず一歩、現地へ

テレビで見るスポーツは最高です。でも現地で見るスポーツには、テレビでは伝わらない何かがあります。

選手の息遣い、車いすが床を蹴る音、ゴール後にベンチが湧く瞬間——それを体験すると、パラスポーツの見方が変わります。

好きなスポーツからひとつ、パラスポーツ版を選んで、まず一度見に行ってみてください。