デフリンピック2025は東京!──100周年を迎える伝統のスポーツ大会

デフリンピック

2025年11月、日本で初めて「デフリンピック」が開催されます。
会場は東京、記念すべき大会100周年の節目。世界中から約3,000人の聴覚障がいのあるアスリートが集い、21競技で熱戦を繰り広げます。

「デフリンピックって何だろう?」「パラリンピックと何が違うの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。今回は、大会の歴史や特徴、そして東京大会の注目ポイントをまとめてご紹介します。観戦は基本的に無料。せっかくの機会に、ぜひスポーツの本質に触れてみませんか。

デフリンピックとは?──歴史と成り立ち

デフリンピックは「聴覚障がい者のための国際的スポーツ大会」で、1924年にフランス・パリで第1回が開催されました。当時は「国際ろう者競技大会」と呼ばれていましたが、2001年から正式に「デフリンピック」という名称に統一されています。

「Deaf(耳が聞こえない人)+Olympics(オリンピック)」を組み合わせた造語であり、その名の通り“耳の聞こえない人のオリンピック”。夏季大会と冬季大会があり、4年ごとに世界各地で開催されてきました。ただしこの大会は、国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催するもので、オリンピックやパラリンピックと並ぶ「国際スポーツ大会」ではあるものの、運営母体や開催の仕組みは別となっています。

パラリンピックとの違いは?

デフリンピックと混同されがちなのが「パラリンピック」です。両者はどちらも障がい者スポーツの国際大会ですが、対象や運営方法には違いがあります。

  • 対象
    • パラリンピック:身体・知的障がいを含む幅広い障がい者
    • デフリンピック:聴覚障がい者に限定
  • 競技ルール
    • 基本的にオリンピックと同じルールを採用。ただしスタート合図や審判の指示は「音」ではなく「光」「手旗」「ジェスチャー」で行われます。
  • 特徴
    • 補聴器や人工内耳の使用は禁止。選手は純粋に“聞こえない状態”で競技に臨みます。
    • 選手や観客が自然と「視覚」に頼るため、応援も手話やサインエール(手を振る応援)など独自の文化が根付いています。

このように、デフリンピックには「音のない世界だからこそ見える工夫」があり、それがスポーツの新しい魅力として観戦者を引き込みます。

音のない世界で躍動するアスリートたち

デフリンピックでは、陸上、水泳、サッカー、バスケットボール、柔道、バレーボールなど、私たちにとってなじみのある競技が並びます。またNHKの番組でも紹介されていましたがオリエンテーリング(詳しくはこちら)など他にあまり見ない競技もあるようです。

もちろん通常の競技もルールには若干の違いがあります。たとえばスタートの合図は、通常の大会で使われる耳から聞こえる「号砲」ではなく、光の点滅フラッグなど目で確認できる方法によって行われます。また、団体競技では声による指示ではなく、視線や身振り、タイミングの共有によってプレーが進められます。

音に頼らないからこそ生まれる連携、集中力、そして判断力。それらが画面越しでは伝わりきらない緊張感と迫力を生み出しています。
競技の一覧はこちらのサイトで確認できますのでご参照ください。
https://deaflympics2025-games.jp/main-info/sports/#gsc.tab=0

東京2025デフリンピックの概要

  • 開催期間:2025年11月15日(土)〜11月26日(水)
  • 開催都市:東京都内各所
  • 参加規模:約3,000人の選手、6,000名を超える関係者
  • 競技数:陸上競技、水泳、サッカー、バスケットボール、テニスなど20競技以上

東京で開催される意義、そして私たちにできること

今回の東京大会は、日本で初めて開催されるデフリンピックとなります。日本はこれまで何度か開催を目指してきた経緯があり、ついに実現したこの大会は、国としても非常に重要な一歩です。

70か国以上から約3,000人のアスリートが参加予定で、関係者も含めると約6,000人規模になるとのこと。これだけの大規模な国際大会が開かれるにもかかわらず、正直なところ、まだあまり大きく報道されている印象はありません。世界陸上は注目されてきましたが、デフリンピックはまだまだですよね。すこしずつですが最近ではNHKなどでも少しずつ取り上げられるようになってきましたし、東京都などの自治体も積極的に広報活動を始めているようです。

実は私自身、今回の大会にボランティアとして応募していました。募集定員は約3,000人と聞いていましたが、6倍程度の応募があり、応募多数による抽選で結果的にご縁はありませんでした。残念な気持ちもあるのですが、それよりもそれほど注目されているのかと考えるとそれはそれでいいことだなと納得している気持ちが強いです。

観戦は無料、ふらっと立ち寄れる国際大会

今回の東京大会では、すべての競技観戦が無料となる予定です。オリンピックやパラリンピックではなかなか得られない「気軽さ」が、デフリンピックの魅力の一つかもしれません。たとえば「ちょっと空いた午後に観戦に行ってみる」「子どもと一緒に初めての国際大会を体験してみる」といった参加のしかたもできます。

もちろん、世界トップレベルの競技が目の前で繰り広げられるので、観戦のしがいも抜群です。音ではなく、動きや空気、表情で伝わるスポーツの魅力を体感できるこの機会は、なかなかありません。

どう観戦する?──応援のヒント

デフリンピックでは「音のない応援スタイル」が特徴的です。

  • 拍手の代わりに、両手を頭上で大きく振る「サインエール」
  • 視覚的にわかりやすい応援グッズ(旗・ボード)
  • 選手への声援は控えめにし、アイコンタクトやジェスチャーで気持ちを伝える

こうした応援は、観客自身にとっても新鮮な体験になります。
「どう応援すればいいの?」と迷う方も、会場に足を運べば自然にその一体感を味わえるはずです。

会場に広がるもうひとつの“共通語”——国際手話

デフリンピックでもうひとつ注目したいのが、「国際手話(International Sign)」の存在です。私は残念ながら手話などいまいち詳しくわかってないのですが、調べてみると新たな発見があります。

世界中から集まるろう者のアスリートたちは、それぞれ異なる国の手話を使っています。たとえば日本手話とアメリカ手話では、語順や表現方法が大きく異なるそうです。ではどうやって国際大会で意思疎通をしているのでしょうかというところで使用されているのが、「国際手話」と呼ばれる共通表現です。こちらのサイトがわかりやすく説明してくれています。
これは視覚的でわかりやすい動作をベースにすることで、参加者どうしが国境を越えてコミュニケーションを取ることが可能になるということで、今回のデフリンピックでも公用語として使用されるそうです。

会場では、一部のボランティアや運営スタッフがこの国際手話を使って選手とやり取りしていたり、スクリーンに手話通訳が映し出されたりと、言葉の壁を超える工夫があちこちにちりばめられているそうです。

そうした新しい経験ができることは、私たちが普段使っている言葉の役割、そして“伝えること”の本質を、もう一度見つめ直すきっかけにもなるのではないかと思います。

最後に

デフリンピックが東京で開催される2025年。
この大会は、ただの「国際スポーツイベント」ではなく、多様性やインクルージョン、そして人間の可能性そのものを考える機会にもなりそうです。

あまり知られていないけれど、きっと心に残る大会になると思います。もし少しでも興味をもたれたら、公式サイトやニュースなどで情報をチェックしてみてください。そして時間が許すようであれば、ぜひ会場へ足を運んでみてください。

私も、今回は観客として静かに、でも気持ちは熱く応援したいと思っています。
公式サイト https://deaflympics2025-games.jp/#gsc.tab=0
東京都の紹介ページ https://www.tokyoforward2025.metro.tokyo.lg.jp/deaflympics/