パラスポーツボランティアとは④――当日の業務、実際のところ

前回までのコラムでは、スポーツボランティアへの参加の仕方や、初級パラスポーツ指導員の資格についてお伝えしました。今回は、実際に現場に入ったときの話、「当日どんな仕事をするのか」について整理します。
業務内容は、当日わかることが多い
参加前に気になるのが「自分は何をするのか」という点だと思います。結論からいうと、業務内容が事前に細かく決まっているケースは多くありません。主催者側がある程度の役割を決めていることもありますが、集まったメンバーで大まかに分けてあとは現場で、というスタイルも珍しくありません。
ボランティアは、スキルも経験も年齢もさまざまな方が集まります。その場で分担を調整するのは、実際のところ簡単ではありません。ある程度の柔軟さを持って参加することが、結果的に現場をスムーズにします。
コートサイドの仕事:モッパーとスコアボード
車いすバスケットボールの現場でよく経験するのが「モッパー」です。ハーフタイムや試合の合間にコートにモップをかけ、床面を清潔に保つ役割です。選手が滑ったり怪我をしたりしないよう、丁寧に、かつ手早く対応することが求められます。
試合のすぐそばで動く仕事ということもあり、参加希望者が多い業務のひとつです。
同じコートサイドでもう一つよくあるのが、手動のスコアボードをめくる係です。得点が入るたびにボード上の数字を切り替える作業で、目立ちはしませんが集中力が必要です。こちらはモッパーと兼任になることも多く、希望者が集まりにくい傾向があります。
少し責任が伴う仕事ほど手が挙がりにくくなる、というのは多くの現場で共通しています。気にしておくと、動きやすくなると思います。
会場の入口を支える:受付
受付は、来場者へのパンフレット配布や座席案内を担う業務です。基本的に会場の外に位置するため、試合そのものを観られる時間は限られます。
業務自体の難易度は高くありませんが、どこまで丁寧に対応するかで印象が変わります。車いすで来場された方向けのエレベーターの場所を把握しておく、困っている様子の方に先に声をかける、といった対応は、主催者から特に指示がなくても自分で判断してできることです。
ただ、主催者側が必ずしもそこまでを求めているわけではない場合もあります。現場の雰囲気を読みながら、過不足なく動くことが大切です。
選手と近い場所で:記録証・メダル授与、選手サポート
水泳大会では、競技終了後すぐに記録証やメダルを渡す係を担当したことがあります。泳ぎ終わった選手が記録証を求めてすぐに来られることも多く、手元の作業がバタつくこともありますが、選手と直接やりとりできる場面でもあります。
また、選手の動線に沿ったサポートも経験しました。水泳であれば招集所からスタート台まで荷物を持って同行する、パラフェンシングであれば試合前に車いすを固定したり機器の動作確認をサポートしたりといった内容です。専門的な判断は審判や協会スタッフが担い、ボランティアはその周辺を補う形が基本です。
「専門外の仕事」がボランティアの中心
審判や記録の管理といった専門的な役割は、各競技の協会スタッフや有資格者が担います。ボランティアに割り当てられるのは、専門知識がなくても対応できる業務が中心です。
裏を返せば、初めて参加する方でも十分に動ける仕事がほとんどです。重要なのは、指示を待つだけでなく、その場で何が必要かを自分なりに考えて動くことだと感じています。
前にも少し書きましたが、現場に行くといろんな方がいますので自分が希望する仕事に就けないケースは多くあります。どうしてもやりたい場合は自分からこれがやりたいと言う方が良いかもしれません。ただあくまで個人の意見として、私はボランティアとして参加するときの意識は「アスリートファーストであると良い」と考えています。できれば「どの役割であっても、大会が成立するための必要な大事なパーツ」と考えていただき、その意識をもって参加すると、どの業務でも自分なりの関わり方が見えてくるのかとおもいます。良ければ参考にしてみてください。

