スポーツボランティアの始め方③――初級パラスポーツ指導員:資格取得の流れと、取得後の活動

以前のコラムで少し触れた「初級パラスポーツ指導員」について、お問い合わせをいただくことが増えてきました。今回は資格の取得方法と、取得後にどのような活動につながるのかを、私自身の経験をもとに整理してお伝えします。
初級パラスポーツ指導員とは
「初級パラスポーツ指導員」は、日本パラスポーツ協会が認定する資格です。詳細は公式サイト(https://www.parasports.or.jp/leader/)に掲載されていますが、内容をひとことで表すなら「パラスポーツに関わるための基礎を体系的に学ぶ」資格です。
学ぶ内容は座学が中心で、大きく3つに分けられます。1つ目は障がいのある方とのコミュニケーション。どう声をかけるか、何に配慮すべきか、といった実践的な内容です。2つ目はパラスポーツの指導上の注意点。競技ごとの特性や、安全に進行するための基礎知識を学びます。3つ目は安全管理で、応急手当・AEDの使い方・保険の仕組みなど、現場で実際に必要になる知識を扱います。
特別な予備知識は必要ありません。パラスポーツに関心がある、ボランティアに参加してみたい、という動機があれば十分です。
具体的な授業の内容はこちら(PDF)をご参照ください。時間配分も載っています。
どうやって取得するか
私はふなばし市民大学校のスポーツコミュニケーション学科を通じて、1年かけて取得しました。講習をしっかり受けることが条件で、試験形式ではありません。出席・受講の実績が資格取得の判断基準になります。
船橋の市民大学では、座学だけでなく実践的な内容も含まれていました。パラスポーツのイベント企画(チラシの作り方や集客の方法、保険の掛け方など)、パラアスリートによる直接講義、地元協会の方のお話など、資格の勉強という枠を超えた学びがありました。実際にイベントを動かす側の視点を早い段階で得られたことは、その後の活動にも役立っています。
近年は大学の授業として取得できるケースも増えており、受講の機会は以前より広がっています。お住まいの地域でどのような講習が開催されているかは、日本パラスポーツ協会の指導者情報ページ(https://www.parasports.or.jp/leader/)から確認できます。こちらの情報は限定的でもありますので
「初級パラスポーツ指導員 講習 +お住まいの地域名」
で検索するのが、手っ取り早い方法です。
取得後にできること
資格を取得すると、都道府県の障がい者スポーツ協会に登録されます。そこからボランティア募集の案内が定期的に届くようになるため、活動の入り口を自分で探し続けなくてもよくなります。これは思っていた以上に便利でした。
参加できる場は大きく3つに分けられます。
・地元のスポーツコミュニティへの参加:船橋では、市民大学の卒業生が地域ごとにコミュニティをつくって活動しています。同じ経緯で資格を取った人たちが集まるため、初めてでも活動しやすい環境です。
・協会経由のボランティア:県の協会登録後に届く案内をもとに参加できます。なかには「資格取得者のみ参加可」という条件付きのイベントもあり、そうした場への参加が可能になるのは資格ならではのメリットです。
・自分で探したイベントへの参加:オープンで誰でも参加できるものも多くありますが、資格保有者のみが参加できる枠もあります。選択肢が広がるという点で、資格の有無は確実に影響します。
資格よりも「ネットワーク」
率直に言うと、私が資格取得を最も活用しているのは「資格そのもの」よりも「ネットワーキング」の面です。
ボランティアの現場に行くと、参加者のほとんどがすでに何らかのパラスポーツ関連資格を持っています。共通のバックグラウンドがあるため、初対面でも話が早い。地元コミュニティへの参加も、資格があったからこそ自然に入れた、というケースが私自身も含めて多いと感じています。
もちろん、資格がなければできないボランティアもあります。そうした意味での実用的な価値も確かにあります。ただ、「同じ関心を持つ人たちとつながれる場への入り口になる」という点が、長い目で見ると一番大きな収穫だと思っています。
取得を迷っている方へ
「仕事をしながら通えるだろうか」「途中で続かなくなったら」という不安は、私自身も取得前に感じていました。実際には、講習の場には同じような立場の受講生が多く、進めていくうちにペースをつかめます。
強いて言えば、「パラスポーツの現場に何らかの形で関わってみたい」という気持ちが少しでもあれば、それで十分だと思います。資格取得が目的である必要はなく、学びの過程で得られる人とのつながりや視点の広がりが、結果として活動の幅を広げてくれます。
興味があれば、まずお住まいの地域で開催されている講習を検索してみてください。確認するだけでも、次の一歩が見えてくるはずです。

