救急講習体験記【日本赤十字】──「いざという時のために」救急法基礎講習を受講して

「もし、自分の目の前で誰かが倒れたら──」そう思ったことはありませんか?
私はつい先日、日本赤十字の「救急法基礎講習」を受けてきました。もともと興味はあり、ふなばし市民大学の授業であったのですが当日受講できず、今回やっとタイミングが合い受講ができました。以前本サイトでご紹介した「船橋市周辺で受けられる救命講習」の記事(こちら)とも合わせて、(その時点では受講していなかった私が)実際に講習に参加して感じたこと、そして受講を検討されている方に向けた簡単なレビューを、今回はお届けしたいと思います。
「赤十字」と「船橋市」──2つの講習、どちらを選ぶか
まず、私が講習を受けようと思った際に候補に挙がったのが次の2つでした。
- 日本赤十字社の「救急法基礎講習」
- 船橋市消防局などが実施している「上級救命講習」
どちらも初心者向けで、特別な前提知識や資格は不要。
受講費用も比較的リーズナブル(船橋市は無料、赤十字は1500円)で、どちらも公的な信頼性があります。
ただ最終的に私が選んだのは「日本赤十字」の救急法基礎講習でした。その理由は、赤十字の救急法講習を修了することで、次のステップとして「水上安全法講習」に進めるという点に魅力を感じたからです。水辺のレジャーが増える季節、自分の興味関心にもつながるこの流れは、自分にとって自然な選択でした。
講習の流れと内容──「知る」と「やってみる」の両輪で学ぶ
実際の講習は、ざっくり以下の3つで構成されていました。
- 座学(救命に関する基本的な知識)
- 実技演習(ペアでの実技研修)
- 試験(まずは実技でそのあと筆記)
座学では、「なぜ救命措置が必要なのか」「そのとき、どう動くべきか」といった全体像を学びます。きちんとしたインストラクターの方の説明がありますので内容はわかりやすかったです。どちらかというとそのあとの実技の研修のことの方が気になってあまり集中できてなかったかと思います…。内容はスライドや映像教材もわかりやすいものでした。
続いての実技では、心肺蘇生法(CPR)の手順やAEDの使用方法、人工呼吸のやり方などを、2人1組でじっくりと確認していきます。インストラクターが丁寧に声をかけてくれるので、初めてでも安心して取り組めました。最初には傷病者の方の扱い方、例えばどういう体勢にしておいた方がいいかとか、実際に横を向かせる方法、毛布にくるむ方法などを実際に練習します。その後やったのは心肺蘇生のやり方です。こちらはきちんとした細かい手順というのが定められていて、そちらを反復練習するという感じです。発見したら、周りの状況を確認して,傷病者の状態、意識の確認、周りの方へのサポートの依頼、呼吸の確認、胸部圧迫の開始…というように決められた基本の手順にそってAEDを使った心肺蘇生の方法をしっかり把握しできるようになるまで何度も繰り返し練習となります。個人的にはかなり丁寧に教えていただいたのでとてもやりやすかったです。
最後は試験。まずは実技で先ほどまで実施していた胸部圧迫、AED装着、人工呼吸などの一連の流れを実演。緊張しましたが、何より「手が動くようになる」ことの大切さを痛感しました。筆記では10問が出題され、内容は講義・実技を通して学んだことから出題されました。決してガチガチの厳しい感じではありませんが、ゆるーい雰囲気でだれでも合格という感じでもありませんでした。緊張しますが基本実技で反復練習をしっかりして、そこの内容を理解できれば筆記も含め何とか受かることはできるかなと思います。インストラクターの方も理解ができてない人があれば何度でも繰り返して練習してくれる感じだったので安心感はあったと思います。
受講してみて感じたこと
一番の収穫は、「やってみないと、できない」という当たり前の事実でした。会社の避難訓練でAEDの使い方など実演コーナー的なものはありましたが、ちょっと実際にやると実技の重みというか、呼吸を確認する手の位置、AEDのパッドの貼り方、胸骨圧迫のリズム──頭で理解したつもりでも、実際にやってみると感覚がまるで違いました。
そして、これはボケボケしていてまた時間が経ってしまうと、忘れてしまうかもということ。だからこそ、意識的にアップデートし続けることの大切さを感じています。講習でも言われてたのですが、こちらの方法は国際基準があり今回の内容は2020年に更新されたものだそうです。約5年間隔で更新があるそうなので、今年は新たな基準が発表される年とのこと。実は赤十字の資格が5年ごとに期限がもうけられているのもこれが理由の一部だそうです(基本は5年ごとに講習を受けてほしいとのこと)。
もし今回無事合格ならば将来的には水上安全法の講習にも挑戦したいと考えています。
最後に──「資格」よりも「手が動く」こと
今回の講習で取得した修了証は、確かに一つの「証明」になります。
でもそれ以上に大切なのは、「手が動く自分」でいられるかどうかかなと思います。いざというとき、体が自然と反応できるか。それは知識ではなく、経験からしか得られないものだと思います。本当は体験がない方が良いのですが…。
もし迷っているなら、まずは一度受けてみてください。自分や大切な人を守るための最初の一歩には間違いなくなるはずです。
そして、以前の記事(こちら)と重なる部分もありますが、今回はあくまで「体験記」としての位置づけです。情報を探している方には前の記事、実際のイメージや受講後の感想を知りたい方には本記事、読み分けていただくと良いかと思います。