誰もが主役になれる場所 ―― 「ゆに場」で見つけた笑顔とつながり【レポート】

皆さま、こんにちは。「ふなばしスポーツ」のコラムをお届けします。 立春を前に、暦の上では春が近づいておりますが、まだまだ身に染みる寒さが続いていますね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今回は2月1日(日)、船橋アリーナの多目的室にて開催されたイベント「ゆに場(ゆにば)」の様子をレポートします。 このイベントは、以前も本サイトでご紹介した「ふなばし市民大学校 スポーツコミュニケーション学科」の1年間の学習の集大成として、学生が主体となって企画・運営する恒例の行事です。今年は、第22期の学生の皆さんが情熱を込めて作り上げた「ゆに場」にお邪魔してきました。
会場に響く笑い声と、手作りの温かさ
船橋アリーナの地下1階へと階段を降りていくと、踊り場や通路のいたるところに、可愛らしいキャラクターのイラストが描かれた案内ボードが掲げられていました。 「あっちだよ!」「こっちだよ!」と元気よく、そして温かく来場者を導いてくれる手作りの看板。その細やかなおもてなしに誘われ、多目的室の重い扉を開けると、そこには外の寒さを一瞬で忘れさせるほどの熱気と、絶え間ない笑い声が広がっていました。
「ゆに場」のコンセプトは、年齢や性別、障がいの有無にかかわらず、誰もが気軽にスポーツを楽しめる「ユニバーサルスポーツ」を体験できる場。この日も、車いすで参加されている方から、背筋をピンと伸ばしたご高齢の方まで、たくさんのみなさんが同じフロアに集まっていました。
多彩なプログラムで弾む会話と交流
会場内はいくつかのエリアに分かれており、それぞれのコーナーで参加者の皆さんが真剣に、そして何より楽しそうに体を動かしている姿が非常に印象的でした。
まず目を引いたのが、4コートという広々としたスペースで展開されていた「ボッチャ」です。 パラリンピック種目としてもおなじみですが、白いジャックボール(目標球)にいかに自分のボールを近づけるかという戦略的な面白さに、あちこちで「おぉー!」「惜しい!」という歓声が上がっていました。初めて顔を合わせた参加者同士が、一投ごとに「今のいいですね!」と自然に言葉を交わし、ハイタッチが生まれる光景。まさにユニバーサルスポーツの醍醐味がそこにありました。
また、2〜3コート設置されていた「卓球バレー」では、ネットを挟んで6人ずつが椅子に座り、卓球のボールを転がし合います。 船橋では、地元の「船橋ユニバーサルスポーツ協会」の皆さんが主催する体験会が頻繁に開催されており、市民の皆さんにも馴染みが深い競技です。それだけに、ラリーのスピード感と緩急の使い分けはなかなかのもの。ラリーが長く続くたびにチームの一体感が増していく様子に、見ているこちらも思わず手に汗を握り、応援に力が入ってしまいました。
さらに、北欧生まれの「モルック」や、2本のバーに紐付きのボールを引っ掛ける「ラダーゲッター」など、初心者でも数分でルールを覚えられる種目も用意されていました。 シンプルだからこそ「次はこうしてみよう」という工夫が生まれやすく、一度体験すると「もう一回お願いします!」と夢中になって挑戦する方が続出。会場の温度が一段上がったかのような、心地よい興奮に包まれていました。
支える人、参加する人。みんなで創る「場」の力
そして何より、この活気あふれる場を力強く支えていたのは、ふなばし市民大学校の22期生を中心としたスタッフの皆さんです。 会場の設営、受付での明るい挨拶、そして各競技のルール説明に至るまで、メンバー一人ひとりがきめ細やかな配慮を持って動いていました。参加者が迷わないよう常に周囲に目を配り、競技中も盛り上げ役に徹する彼らの姿は、一年間の学びを経て、スポーツを通じたコミュニケーションのプロとして活動している、非常に頼もしい姿でした。
彼らの「スポーツを通じて船橋を元気にしたい」という真摯な思いが、会場全体の温かな雰囲気を作り出していたのは間違いありません。22期生の皆さんの頑張りによって、参加者の皆さんの表情がみるみる明るくなっていく様子を目の当たりにし、私たちも何か大きな力をもらったような、すがすがしい気持ちになりました。
しかし、この素晴らしいイベントは、学生たちだけの力で成り立っているわけではありません。 大学校の運営を担う船橋市職員の方々の手厚いバックアップ、競技の質を担保する船橋ユニバーサルスポーツ協会の皆さんの運営サポート、そして「ルームサポーター」として現役生を支えるために駆けつけた卒業生の方々……。こうした多層的なサポート体制と、先輩から後輩へと受け継がれる「つながり」があるからこそ、この「ゆに場」は質の高いコミュニティの場として成立しているのだと感じました。
そして何よりも、この場所を純粋に楽しみ、学生たちの挑戦を笑顔で受け止めてくださる参加者の皆さまの存在。その笑顔こそが、学生たちの努力を報い、次のイベントへとつなげる最大の原動力になっていることは言うまでもありません。
スポーツの力で、船橋をひとつに
今回の「ゆに場」を訪れて改めて感じたのは、スポーツには「言葉や属性を超えて、人と人をつなぐ力」があるということです。 体を動かすことで心の壁が解きほぐされ、初対面の人とも自然に笑顔で交流できる。そんな場所が私たちの街、船橋にあることの尊さを再確認しました。
「ふなばしスポーツ」では、これからも、このような「誰もが主役になれる場」を大切に追いかけ、発信していきたいと考えています。特定の誰かのためのスポーツではなく、みんなのためのスポーツ。その輪が、船橋の街全体に、さらにしなやかに広がっていくことを願ってやみません。
当日ご来場いただいた皆さま、そして運営に尽力された22期生の皆さん、関係者の皆さま、本当にお疲れ様でした。 来年もまた、この素敵なイベントが続き、皆さんのまぶしい笑顔にお会いできることを心から楽しみにしています。

