2026船橋駅伝フェスティバル:現場で感じた「一生懸命」が街をつなぐ【レポート】

船橋駅伝フェスティバル

1月を締めくくる、船橋の冬のスポーツイベント

2026年1月31日。この日は突き刺すような寒さもありましたが、冬らしい澄んだ青空が広がり、風も比較的穏やかな絶好の駅伝日和となりました。船橋市のスポーツ拠点である「船橋市運動公園」において、冬の恒例行事である「2026船橋駅伝フェスティバル」が盛大に開催されました。

この大会は、市内の小学校、中学校、高校生そして一般のランナーまでが一堂に会し、それぞれチームを組んで一本のタスキを繋ぎます。私たち「ふなばしスポーツ」のメンバーも、今回は大会の運営を支える皆様のお手伝いとして参加してきました。

ランナーの皆様とはまた違った視点で大会を見つめることで、船橋のスポーツ文化の深さを再発見する一日となりました。今回は、コース案内の現場から見えた風景を中心に、当日の様子を少しだけお伝えします。

「駅伝フェスティバル」誕生の背景

今回の大会名を聞いて、「あれ?今までと違う?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。私も、以前から船橋のスポーツに関わってきた一人として、これまでの駅伝大会との違いをあらためて整理してみました。

これまで船橋市では、1月に公道を走る「成人の日記念船橋市民駅伝競走大会」が行われ、2月には運動公園を舞台に「船橋市小学生・女子駅伝競走大会」が開催されてきました。実は今回の「船橋駅伝フェスティバル」は、これら2つの歴史ある大会を統合し、リニューアルして開催された「第1回大会」となります。実際に現場に立ってみると「第1回」という言葉が持つワクワク感や、新しい歴史をここから作っていくのだというポジティブな熱気を肌で感じることができました。

お手伝いしていて感じること

私の担当は、公園内の周回コースにおける「コース案内」でした。駅伝において、ランナーが迷うことなく、また接触事故などが起きないように誘導することは、大会の安全な運営に直結する大切な業務です。

コースにでて割り当てられた地点に立つと、自然と身が引き締まる思いがします。コース上に小石が落ちていないかを確認し、応援の方や自転車で走られている一般の方々がコースに入ったり身を乗り出しすぎないよう注意を払いながら、第一走者の到着を待ちました。

競技が始まると、ランナーたちが次々と目の前を通り過ぎていきます。コース案内の仕事は、単に方向を指し示すだけではありません。懸命に走る選手たちを最も近くで見守る立場でもあります。

ボランティアとして参加したことで得られた、大きな収穫の一つは「すがすがしさ」です。自分のささやかな誘導とはいえ、身近に走るランナーたちは一秒を削る走りに集中していて、仲間と一生懸命走る小学生、黙々とアスリートとしてパフォーマンスを発揮する中学生、高校生、そして市民ランナーとしても活躍されている一般の方々。今回皆さんをより近くでサポートをできることに、言葉では言い表せないさわやかな気持ちを覚えました。また改めて支える側として現場に立つことで、大会がこれほど多くの細かな配慮と協力で成り立っているのだと、改めて実感することができました。

市内53校が激突:小学生たちの真剣勝負

今大会で最も大きな盛り上がりを見せたのは、小学校の部です。船橋市内には55の市立小学校がありますが、今大会にはそのうち53校が出場しました。

小学校の部は、1チーム6人編成の男女混合で行われます。この「男女混合」という形式について今回改めて確認したところ、令和4年(2022年)2月に開催された「船橋市小学生・女子駅伝」から既に採用されていたルールとのことでした。

中学校以上のカテゴリーでは男女別に分かれていますが、この小学生の「混合チーム」という形式は、学校単位での団結力を高めるだけでなく、男女が協力して一つの目標に向かうという教育的な側面からも非常に興味深い取り組みです。スタートラインに並ぶ子どもたちの真剣な眼差しは、大人顔負けの緊張感に満ちていました。

コース沿道には、各校の先生方、クラスメイト、そして保護者の方々が数多く詰めかけ、自校のゼッケンをつけた選手が通過するたびに大きな歓声が上がっていました。最後はトラックまでもつれ込む大接戦となり、競技場には割れんばかりの歓声が響いていました。学校対抗ということもあり、応援の熱量は非常に高く、選手たちにとっても大きな力になっていたはずです。

先生のアドバイスと、それに応える選手

コース沿いでは、各チームの先生や指導者の方々が熱のこもった檄を飛ばしていました。特に印象に残ったのは、ある小学生ランナーと先生のやり取りです。

その地点を通過する際、先生が時計を片手に「前のランナーと数秒差だ! ここからだぞ、しっかりと前についていくんだぞ!」と、非常に具体的かつ本格的なアドバイスを送っていました。

かなりしっかりした指示だなと聞き入っていたのですが、それを受けた選手は、肩で息をし、顔を真っ赤にして苦しそうな表情を見せながらも、間髪入れずに「はい!」と力強く返事をして加速していきました。

その迷いのない返事と、限界に近い状態でも前を向こうとするひたむきな姿には、見ていてとても胸が熱くなりました。何かに一生懸命に取り組むとき、そこには年齢を超えた尊さが宿ります。先生の要求にまっすぐ真摯に応えようとする子どもたちの姿は、沿道で見守るすべての人に勇気を与えていたように思います。

沿道で見つけた「一生懸命」を愛でる眼差し

コース案内の立番をしていた際、一緒に活動していた年配の男性と少し言葉を交わす機会がありました。その方は、毎年この大会を楽しみにしているとおっしゃっていました。

「ただ、こうして一生懸命に走っている姿を見ているだけで、なんだか涙が出そうになるんだよな。とってもありがたい気持ちになるよ」

その言葉通り、男性は全力を尽くすランナー一人ひとりに、静かに、しかし温かな拍手を送り続けていました。

世の中には多様な価値観がありますが、「一生懸命であること」の美しさは普遍的です。速い選手も、少し遅れてしまった選手も、全員がそれぞれの全力を尽くしてタスキを運ぶ。その純粋なエネルギーが、見守る側の心も浄化してくれるのかもしれません。こうした温かな眼差しが沿道に溢れているのも、船橋駅伝フェスティバルの素晴らしい魅力だと感じました。

予期せぬ再会:地域に息づくスポーツのバトン

今回のボランティア活動を通じて、私個人にとって非常に感慨深い出来事がありました。業務の合間に、学生チームを引率していた一人の若い先生と目が合ったのですが、その方はなんと、私の娘の元同級生だったのです。

かつては一緒に遊び、学び、この運動公園を走り回っていたあの子が、今では学校の陸上部顧問として、生徒たちを厳しくも温かく指導している。その成長した姿に、時の流れの速さを感じると同時に、この街のスポーツの伝統が次世代へと確実に引き継がれていることを実感しました。

以前、私の娘自身もこの大会に出場し、タスキを繋いだ経験があります。当時私は親として応援することしかできませんでしたが、時を経て、かつての娘の友人が指導者として戻ってきて、私がそれをボランティアとして支えている。この不思議な縁と「地域のスポーツの循環」を目の当たりにし、この大会に関われたことへの喜びがさらに深まりました。こうした再会もまた、地域密着型のイベントならではの醍醐味です。

……と、少々仰々しく書きましたが、小さかったあの子が今でも元気で、今度は子どもたちを育てる立場になってイキイキと活動してくれていたことが、私は何よりもうれしかったです。

結びに:走り続ける船橋の未来へ

大会の結果、各部門において上位8位までのチームが表彰を受け、輝かしいメダルや賞状を手にしました。入賞されたチームの皆さん、本当におめでとうございます。しかし、結果に関わらず、50チームを超える小学生、そして中学生、高校生、一般ランナーの皆さんが見せてくれたひたむきな走りは、すべてがこの大会の主役であったと確信しています。

今回のボランティア体験は、私にとって非常に豊かな時間となりました。子どもたちのひたむきな姿を間近で見られたこと、それを支えるスタッフの一員としてさわやかな汗を流せたこと、そして驚きの再会があったこと。これらすべてが、スポーツが持つ「人を動かす力」を物語っています。

船橋市運動公園を駆け抜けたランナーたちの熱気は、きっと明日からの私たちの活力へと繋がっていくはずです。大会を支えたすべての関係者、保護者の皆様、そして誰よりも輝いていた選手の皆様、本当にお疲れ様でした。

大会の詳しい内容は、船橋市の公式ホームページにて確認することができます。ぜひそちらもご覧いただき、皆さんの健闘を称え合っていただければと思います。

これからも「ふなばしスポーツ」は、こうした地域のスポーツシーンを丁寧にお伝えしていきます。また来年、さらに成長した皆さんの姿にこの場所で会えることを楽しみにしています。