令和7年度千葉県障害者スポーツ大会 バレーボール(知的障がい、聴覚障がい):バルドラール浦安アリーナ【レポート】

千葉県障害者スポーツ大会 ― 浦安の地で感じた「つながる心」と「支える力」
昨日、11月30日に開催された「千葉県障害者スポーツ大会(知的・聴覚バレーボール競技)」にお手伝いとして参加してきました。
普段は船橋市内を中心に活動している私たちですが、今回は少し足を伸ばして浦安市へ。 会場となったのは、Fリーグ(フットサル)の強豪・バルドラール浦安のホームスタジアムとしても知られる「浦安総合体育館(バルドラール浦安アリーナ)」です。
外から建物を眺めることはあっても、実際に中へと足を踏み入れるのは今回が初めてでした。 船橋アリーナの歴史ある重厚感とはまた違い、プロスポーツの興奮が染み付いているような、近代的で洗練された空気が漂っていました。
そんな素晴らしいアリーナを舞台に繰り広げられた、熱い戦いと温かい交流の様子をお届けします。
フットサルの聖地・バルドラール浦安アリーナ

会場に入ってまず感じたのは、その広さと明るさ、そして管理の行き届いた「美しさ」です。
先週お邪魔した私たちのホームとも言える船橋アリーナととても似た施設です。比べるわけではありませんが……正直に言えば船橋アリーナよりも「きれいだな」と感じました(もちろん、船橋アリーナにはまた別の良さがありますが!)。
バルドラール浦安というフットサルのトップチームがホームとして活用しているだけあり、アリーナ全体に「戦う場所」としての凛とした空気が流れています。 観客席からの視界も良好で、フロアの色合いも鮮やか。 ここでプレーできる選手たちが少し羨ましくなるほどでした。
しかし、この日ばかりはその「フットサルの聖地」が、バレーボールの熱気で満たされていました。
高い天井に響き渡るボールを叩く音、シューズがフロアを擦る音、そして選手たちの掛け声。 会場のポテンシャルを最大限に引き出すような活気が、朝から会場全体を包み込んでいました。
コート上で弾ける笑顔と真剣勝負 ― 知的・聴覚バレーボールの魅力
今大会は、知的障がいを持たれている方々のチームと、聴覚に障がいを持たれている方々のチーム、それぞれが県大会として頂点を目指す場です。
サポートする側として参加した私でしたが、コートサイドに立っていると、選手たちから放たれる凄まじい「パワー」に圧倒されました。
どのチームも、バレーボールという競技を心から楽しんでいるのが伝わってきます。 しかし、ひとたび笛が鳴ればそこは真剣勝負の場。 ボールを拾い、繋ぎ、相手コートに叩き込む。その一連のプレーに懸ける執念は、見る者の胸を熱くさせます。
知的障がいのクラスでは、一つひとつのプレーを確認し合いながら、リズムを作っていく丁寧さが印象的でした。 うまくいった時に全員で喜びを爆発させる姿は、スポーツの原点を見るようです。
一方、聴覚障がいのクラスでは、音が聞こえにくい、あるいは聞こえない状況の中でプレーします。 目配せや手話、そして「気配」で連携をとる姿は圧巻でした。 ボールが落ちるその瞬間まで諦めずに飛び込む姿には、研ぎ澄まされた集中力を感じました。
筑波大学附属聴覚特別支援学校チームに見る「チームワークの原点」
数ある素晴らしいチームの中で、特に私の目を引いたのが、女子の部に参加していた「筑波大学附属聴覚特別支援学校」のチームです。
彼女たちのプレーを見ていると、自然とこちらまで笑顔になってしまう――そんな不思議な魅力がありました。
決して全てのプレーが完璧というわけではありません。ミスをしてしまう場面ももちろんあります。 しかし、彼女たちが素晴らしかったのは、その「直後」です。
誰かがミスをすれば、すぐに周りのメンバーが駆け寄り、背中を叩き、笑顔で励ます。 逆に良いプレーが出れば、まるで自分のことのように全員で飛び跳ねて喜ぶ。
コートの上で喜怒哀楽がこれほどまでに素直に表現されているチームは、そう多くはありません。
「ドンマイ!」「次は一本!」 声としての言葉は少なくとも、彼女たちの間には確かな信頼関係とコミュニケーションが存在していました。
チームスポーツにおいて最も大切な「仲間を想う気持ち」が、彼女たちのプレーからは溢れ出ていました。 見ている周りの人たちをも元気にしてしまう、そんなポジティブなオーラを纏った素晴らしいチームでした。
大会を鮮やかに彩るサポーター ― 東海大望洋高校女子バレー部
そして、この素晴らしい大会を支える裏方として、忘れてはならない存在がありました。
審判や得点係、ボール拾いなど、運営のサポートを担当していた「東海大学付属市原望洋高等学校」女子バレーボール部の皆さんです。
彼女たちの働きぶりは、びっくりするぐらい優秀でした。
まず驚かされたのは、その礼儀正しさです。 すれ違うたびに、誰に対しても明るく丁寧な挨拶を欠かさず、常に笑顔で対応してくれます。
そして何より、フットワークの軽さが尋常ではありません。 「あ、ボールが転がったな」と思った瞬間には、もう彼女たちが駆け寄って処理を終えているのです。
指示を待つのではなく、「次は何が必要か」「選手が気持ちよくプレーするにはどうすればいいか」を常に考え、先回りして行動する。 その姿勢は、私たち大人が見習わなければならないほどでした。
一部の人はエキジビジョンとしてプレーしていましたが、全員自分たちがプレーするわけではない、裏方としての参加。 それでも、彼女たちはその役割をしっかりこなし、全力で取り組んでいました。
彼女たちの献身的なサポートがあったからこそ、選手たちはプレーに集中でき、大会全体がスムーズに進行したのだと思います。 若い世代の彼女たちから、私たちもたくさんのパワーをもらいました。本当にありがとうございました。
まとめ ― スポーツが教えてくれる「明日への活力」
今回の千葉県障害者スポーツ大会を通じて、改めて感じたことがあります。
それは、スポーツには「する人」も「支える人」も、そして「見る人」も、その場にいるすべての人を元気にする力があるということです。
浦安総合体育館という素晴らしい舞台。 選手たちのひたむきなプレー。 筑波大附属チームのような明るいチームワーク。 そして、東海大望洋高生たちの献身的なサポート。
これら全ての要素が組み合わさることで、会場には「誰にとっても居心地の良い空間」が生まれていました。
「障がい者スポーツ」という枠組みを超えて、純粋にバレーボールという競技の面白さ、そして人の温かさに触れることができた一日。 サポートに行ったはずの私が、逆にたくさんのエネルギーを充電させてもらって帰ってきました。
ふなばしスポーツとしても、こうした「誰もが輝ける場所」を大切にし、その魅力をこれからも発信し続けていきたいと思います。
参加された選手の皆さん、運営スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。 そして、ありがとうございました。


