フードドライブとは― リユースは誰でもできる小さな社会貢献

リユース

先日、イトーヨーカドーで家にあったものの食べられずに余っていた缶詰をフードドライブに寄付してきました。たまに参加していますが、方法はとてもシンプルで、どなたでも気軽に始められる活動だと思います。簡単に言ってしまうと家の棚に眠っていた缶詰や乾麺、レトルト食品の中から「賞味期限が2カ月以上残っている」などの一定の条件に合うものを袋にまとめて持参すると、その場でスタッフの方が受け取ってくれたり、指定の場所に置いておくと回収してくれます。集まった食品は地域の子ども食堂やNPOなどの福祉団体を通じて、食の支援を必要としている方々へと届けられるそうです。

自宅に食品のストックがありながら、つい使いきれず眠らせてしまうことは少なくありません。普段なら「もったいないな」と思いつつ結局は処分してしまうものが、フードドライブを通して必要とする人のもとへ届く。そんな仕組みに触れて、持っていった食品が「ただの余りもの」ではなく「誰かの生活を支える一部」になるかもしれないと考えると、モノを余らせてしまうかもしれない「後悔するかも」から、誰かの役に立てているかもという「ちょっとした喜び」に気持ちも変わってとても自分自身の満足度も向上します。

リユースも体験 ― PASSOT(パスト)の活用

同じ週末、もう一つ新しい体験をしました。着なくなった洋服をPASSOT(パスト)というサービスに託すことにしました。ちょっと以前に千葉ペリエ(駅ビル)を歩いていたら回収ボックスを見つけたので、家を整理した際に利用してみようと思っていて、やっとこの前の週末に利用しました。この箱、皆様も街中で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。PASSOTでは家庭で不要になった衣類を集め、国内外でリユースやリサイクルに活用しています。

私はこれまで洋服を「捨てる」ことに強い抵抗がありました。長年着てきたシャツやジャケットには小さいながらも思い出があり、単にゴミ袋に入れるにはどうしてもためらいがありました。けれど、PASSOTのように「手放すことがそのまま誰かの役に立つ」仕組みがあると、心にすっと「納得」が生まれます。以前に読んだ本で「ときめかないものは捨てる」とあって、世の中では大いに流行ったのに、どうもなかなか実践できなかった私としてはとてもありがたいサービスです。

リユースは環境負荷を下げるだけでなく、私自身のなんだか気に入って買ったはずなのに捨てて良いのか?とい気持ちの迷いをそっとほどく行為でもあるのだと感じました。
動画でサービス紹介をしていますのでご覧ください(音が出ます)

参加して分かった、続けやすさの理由

フードドライブもリユースも、やってみると驚くほど簡単です。缶詰ひとつ、シャツ一枚。それでも確かに誰かの役に立ち、資源の循環に寄与します。私というより我が家では、少しずつですがストック棚やクローゼットを見直す習慣ができ、「買いすぎない」「長く大切に使う」という意識がすこしづつ自然と芽生えてきたように思います。また家の中が整うと、私たち自身の心も少し軽くなる――そんな手応えがあるから、次の一歩も苦になりません。

家族と一緒に参加すれば、ものを大切にする心支え合う喜びを家庭で共有できます。特別なスキルは不要。今日から始められる社会参加の形です。

参加するにあたってチェックすべき点

PASSOTだけではなく各メーカーでも独自の取り組みがあるようです。ユニクロ、無印良品、ZARA、パタゴニアなど様々な企業が取り組みしていますし、チェーン店のクリーニングショップなどで一部こうした取り組みを実施しているようです。わが街船橋でも地元のNPO「フードバンクふなばし」と連携して取り組みを実施されています。
私もまだまだですが、初心者の私だからこその「最初に気を付ける点」をいくつか記載します。

  • フードドライブもリユースの回収ボックスも実施場所は事前に確認したほうが良いです。
    ヨーカードー全店でやっていると思って初回缶詰死ぬほど段ボールに詰めて持っていったら店舗が限定されていました。また上記ブランドの店舗も永続的な取り組みでないイベント的な設置の場合もありますのでお手数ですがホームページなどで確認して行くのがいいでしょう。
  • フードドライブであれば未開封/外装破損なしとか、賞味期限2カ月以上(そもそもラベルに賞味期限の記載がある)、常温保存が可能など条件が設定されています。
  • リユースであれば基本は洗濯済みなど“次の人が使える状態”であることが条件になっていたりします。それ以外でもブランドごとのリユースは自社ブランドのみとか、タオルはダメとか、下着肌着ははだめとかそれぞれの条件もありますのでご確認ください。

私はどちらかというと、どこかに出かけた際にリユースだったりフードドライブの場所を見つけたら記録(写真を撮る)しておき、「リユースしたい!」と思ったときに見返すようにしています。

これからの暮らしに寄り添うサービス

今後、フードドライブやリユースのような取り組みはますます重要になっていくと思います。食品ロスや衣類の大量廃棄が社会課題として取り上げられる中で、個人が無理なく関われる仕組みは貴重です。

「エコだから」「社会に役立つから」という理由だけでなく、参加することで自分の気持ちもどこか穏やかになる。その体験があるからこそ、自然に続けられるのだと思います。

まだ参加したことのない方にとっては、一歩を踏み出すのは少し勇気がいるかもしれません。ですが実際にやってみると、その一歩が思った以上に軽やかで、そして楽しいことに気づけるはずです。

最後に

フードドライブやリユースは、生活の中で誰にでもできる小さなアクションです。その積み重ねが、地域の支え合いや地球環境の未来を形づくっていきます。私自身も今回の経験をきっかけに、これからも気負わずに参加を続けていきたいと思っています。なんだか千葉県は少し参加できる場所が少ない印象(なぜかイトーヨーカドーの対象店も少なめ…)なのですが、これからも街で見かけたらどんどん記録していきます。

皆様ももしご自宅に使わずに眠っている食品や洋服があれば、それを「誰かの役に立つもの」に変えてみませんか?きっとあなたの一歩が、思わぬ場所で大きな力になるはずです。また何より、「ご自身が心地よく感じられる」こともとても重要ではないでしょうか。