パラスポーツフェスタちば2025 ― 広がる体験と参加のかたち

パラスポーツイベント

先週の8月23日土曜日、「パラスポーツフェスタちば2025」が千葉ポートアリーナで開催されました。実はずっと楽しみにしていたイベントだったのですが、どうしても外せない予定が重なり、残念ながら参加することができませんでした。それでも、当日の写真や参加した方々の声を耳にするたびに「やっぱり行きたかったな」という気持ちが募ります。今回は“行ったつもり”になって、このイベントを軸に、最近広がりつつあるパラスポーツ体験の場について思うことを書いてみたいと思います。

体験型イベントの魅力

パラスポーツフェスタのようなイベントでは、普段の生活ではなかなか触れることのできない競技に出会えるのが大きな魅力です。車いすバスケットボールやボッチャといった競技は、パラリンピックを通じて知名度が上がりましたが、実際に体験できる機会はまだまだ多くはありません。ニュースや映像で見るだけでは分からない競技特有のスピード感や駆け引きを、自分自身の身体で感じられることは、観戦とはまた違った発見をもたらしてくれます。

こうした体験は単なる「イベント参加」にとどまらず、パラスポーツを身近に感じるきっかけにもなります。会場に集う人たちは選手だけでなく、初めて競技に触れる一般の参加者、子ども連れの家族、そして支援や運営を担うボランティアと、多様な顔ぶれです。その空気の中に身を置くだけでも、スポーツが持つ“つながりの力”を実感できるはずです。

広がる開催地と多様なイベント

千葉県内では今回の「ちばフェスタ」に加え、11月19日には野田市インフォマージュアリーナ(野田市総合公園体育館)で「パラスポーツフェスタとうかつ2025」の開催が予定されています。地域ごとに特色を持ちながらも、どの会場でも共通しているのは「誰でも参加できる」というスタンスです。体験を通じてパラスポーツの魅力を広く知ってもらいたい、そんな運営側の想いが感じられます。

また首都圏では、国立競技場を舞台にした陸上教室(公式ページ)のように、本格的な施設で一流選手から直接学べる企画も実施されています。昨年東京都で行われた「BEYOND STADIUM 2024」のような大規模イベントでは、競技体験だけでなく音楽やステージ企画も組み合わせ、パラスポーツの裾野をより広げる工夫が凝らされていました。

こうしたイベントは「東京だから」「千葉だから」とエリアを区切るのではなく、広く関東一帯で連携して開催されている印象があります。だからこそ、地元での小さな体験会から始めても、やがて大きな舞台でのフェスタへと自然につながっていく感覚を味わえるのだと思います。

参加のしかたは人それぞれ

イベントに関わるとき、必ずしも「競技体験」に限定する必要はありません。観客として雰囲気を楽しむのも立派な参加ですし、ボランティアとして裏方を支えるのもまた大切な関わり方です。受付や誘導を担当したり、用具の準備を手伝ったりすることも、イベントの成功に欠かせない役割です。

実際に、参加者の中には「競技には触れなかったけれど、ボランティアとして参加したことでパラスポーツの魅力を知った」という声も多くあります。支える立場だからこそ見える景色があり、それが新たな関心や次の行動につながっていくのでしょう。

自分に合った距離感で関われるのも、こうしたイベントの良さだと感じます。「体験してみたい」「応援したい」「支えたい」――その気持ちのいずれもが、パラスポーツを盛り上げる力になるのです。

広がる未来への期待

パラリンピックの開催を契機に、国内でもパラスポーツの注目度は確実に高まっています。また今年は秋にデフリンピックも開催されますのでさらに盛り上がりが高まっています。
しかし、実際の体験や参加を通じて初めて「自分ごと」として捉えられるようになるのではないでしょうか。だからこそ、フェスタのように地域に開かれたイベントが増えているのは心強い流れです。

個人的には、今回参加できなかった悔しさもあって、次の「とうかつフェスタ」や国立競技場での陸上教室にはぜひ足を運びたいと思っています。そして、たとえ観客としてでも、会場で流れる空気を直接感じられることを楽しみにしています。

ぜひ皆さんも参加してみてください

このコラムを読んでくださった皆さんも、もしお住まいの地域でパラスポーツ関連の催しを見かけたら、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。大規模イベントでなくても、地元の体育館で開かれる体験会や教室は、十分に充実した時間を与えてくれます。

「競技に挑戦する」「観戦する」「サポートする」――関わり方は自由です。大切なのは、その一歩を踏み出すこと。パラスポーツが持つ可能性を、ぜひご自身の生活の中で体感していただければと思います。